心の動きと仕組みを読み解く|心理構造ラボ

感情や思考はなぜ生まれるのか。心理構造からその仕組みを解きほぐすブログ。

「大丈夫」とわかっているのに緊張するのはなぜ?|思考と体の心理構造


面接の前、発表の前、初めての場所に行く前。

「大丈夫、そんなに大したことじゃない」

頭では、そう分かっています。

 

それなのに、

心臓はドキドキと音を立て、 手や声が震えることがあります。

分かっているはずなのに、

なぜ体は、落ち着いてくれないのでしょうか。

 

「わかっている」のは、頭の中だけ

「大丈夫」という言葉は、 頭の中で作られた、一つの判断です。

過去の経験や、状況の分析をもとに、

「これは危険ではない」と、理屈で結論を出しています。

一方で、 ドキドキや震えといった体の反応は、

その判断とは別の場所で、勝手に起きています。

 

つまり、 「わかっている」のは頭だけで、

体はまだ、わかっていないんです。

この二つは、 同時に動いているようで、

実は別々の仕組みで働いています。

 

思考と体は、別の経路を通っている

人の脳には

危険を察知したときに、 瞬時に反応を起こす部分があります。

これは、

「考えてから動く」のではなく、 「考える前に動く」ための仕組みです。

 

大昔、人が命の危険と隣り合わせで生きていたころ

一瞬の判断の遅れが、命取りになりました。

だから人の体は、

頭で状況を分析し終える前に、 先に心臓を動かし、

体を戦うか逃げるかの準備状態にする、 という仕組みを持っています。

これは、 危険な場面ほど強く働くように、 できているんです。

 

問題は、この仕組みが

「本当に命に関わる危険」と 「ただ緊張するだけの場面」を、

うまく区別できないことがある、という点です。

 

面接も発表も、 命に関わることはほとんどありません。

けれど体にとっては、

「評価される」「失敗するかもしれない」という感覚が

危険信号として扱われてしまうことがあるんです。

 

心理のキーワード

扁桃体ハイジャック(amygdala hijack)

 

脳の中で危険を察知する部分が

理性的な判断を担う部分より先に働き、

考えるより先に、体が緊張状態に入ってしまう状態。

 

頭で「大丈夫」と分かっていても

体の反応が追いつかないのは

この二つが、そもそも別の経路で動いているためとされています。

 

なぜ「大丈夫」という言葉は、体に届かないのか

「大丈夫」という言葉は、 頭の中で作られた、後からの説明です。

 

でも体は、 その言葉が届く前に、 すでに反応を始めています。

言葉で説得しようとしても、

体はそれを、 すぐには受け取れないんです。

 

これは、 意志が弱いからでも

考え方が間違っているからでもありません。

体の仕組み上、 思考より先に、反応の方が動き出す。

ただ、それだけのことなんです。

 

構造として見えてくること

分かっているのに緊張してしまうのは

頭と体が、 同じ速さで動いていないからです。

 

思考は、状況を理解して「大丈夫」と結論を出せます。

でも体は、 その結論を待たずに、 先に反応してしまうことがあります。

 

だからこそ、 緊張を無理になくそうとするよりも、

「今、頭と体がずれているだけだ」 と

知っておくことの方が、 少し楽になるかもしれません。

 

 

考えてみること

 

あなたが「わかっているのに緊張してしまう」とき

それは頭が納得していないからでしょうか。

それとも、体がまだ、追いついていないだけなのでしょうか。

 

 

心理構造ラボ たえ