心の動きと仕組みを読み解く|心理構造ラボ

感情や思考はなぜ生まれるのか。心理構造からその仕組みを解きほぐすブログ。

人はなぜ同じ言葉でも傷つく時と傷つかない時があるのか?傷つきの心理構造


同じことを言われても

ある時は気にならないのに、別の日には深く残ることがあります。

相手の言葉そのものより

なぜ自分が強く反応したのかが気になることもあるかもしれません。

 

傷つきは弱さとして片づけられやすいものですが

そこには受け取り方や内側の仕組みが関わっていることがあります。

この記事では、傷つきを心理構造という視点から見つめてみます。

 

同じ言葉でも傷つく時と傷つかない時があるのはなぜか

同じ言葉でも反応が変わるのは

言葉そのものより、その時の自分の状態が関係していることがあります。

・疲れている時

・不安が強い時

・自分を疑っている時

ほど、言葉は刺さりやすくなることがあります。

 

これは言葉に特別な力があるというより

その言葉が今の自分のどこに触れたかが違うからかもしれません。

傷つきは

出来事だけでなく内側の状態との関係で生まれることがあります。

 

人は言葉ではなく、その意味に傷つくことがある

傷つきは、言葉そのものへの反応というより

その言葉が自分にとって

どんな意味を持ったかによって強まることがあります。

 

たとえば同じ指摘でも、

「助言」と感じる時もあれば、

「否定された」と感じる時もある。

違いを生んでいるのは、言葉そのものより受け取り方です。

 

同じ「気にしすぎじゃない?」という言葉でも

信頼している人から言われる時と

距離のある相手から言われる時では

受け取り方が変わることがあります。

 

また、同じ相手の同じ言葉でも

自分に余裕がある時とない時では、響き方が違うこともあります。

傷つきは、言葉そのものだけで決まるわけではないことが

こうした違いにも表れています。

 

さらに人は、過去の経験から

「また傷つくかもしれない」と

無意識に予測していることがあります。

 

心理のキーワード

予測処理(predictive processing)

 

脳は、起きたことに反応するだけでなく

次に何が起こるかを予測し続けています。

傷つきは、拒絶や否定を予測する働きが強まると

実際以上に痛みとして感じられることがあります。

 

そうした予測が強い時、言葉以上の痛みとして感じられることがあります。

 

傷つきには、期待や過去が重なっていることがある

とくに、

理解してほしい相手や大事な相手の言葉ほど

傷つきやすいことがあります。

それは攻撃されたからだけではなく

期待が届かなかった痛みが含まれているからかもしれません。

 

期待があるということは

それだけ相手との関係に意味を置いているということでもあります。

だからこそ、何気ない言葉でも

「分かってもらえなかった」という感覚につながると

傷つきとして大きく感じられることがあります。

 

傷つきは拒絶への反応だけでなく

つながりが揺らいだと感じる反応として生まれることもあります。

 

また、今の出来事だけではなく

似た経験が過去にあると

その意味づけが強まりやすくなることもあります。

今の傷つきに見えて、過去から続く流れが関わっていることがあります。

 

傷つきを弱さではなく、構造として見る

傷ついてしまうと、自分が弱いからだと責めたくなることがあります。

けれど、そこにどういう意味づけや期待が動いていたかを見ると

傷つきは別のものとして見えてくることがあります。

構造として見ることは

苦しさを正当化するためではなく

自責だけで終わらせないための視点でもあります。

 

理解することが、反応との距離を少し変えることもあります。

それは傷つかなくなることではなく

傷つきをそのまま自分の価値と結びつけにくくなることでもあります。

 

考えてみること

 

あなたは相手の言葉そのものに傷ついていますか。

それとも、その言葉が触れた意味に反応しているでしょうか。

 

心理教育者 たえ